―昨年を振り返って。

 コロナ禍を経て、教育現場のICT環境整備が進んだ今、一人一台のタブレット端末を持つことが当たり前になりました。その中で、学校現場ではタブレット端末やデータの利活用を促進する取り組みが求められるようになりました。当社でも、タブレット端末をはじめとしたデジタル機器を学習にどう活用できるかを模索した1年でした。

 ―具体的な取り組みは。

 今年4月から新たに「社会科資料集 デジたんQ」を発刊します。この資料集では、例えば縄文時代と弥生時代のくらしを横開きの紙面で見比べることで、それぞれの違いから子どもたちの興味・関心を抱くきっかけを提供し、そこからタブレット端末で詳しい情報を調べる探究学習を促します。

 この教材を通して、タブレット端末を効果的に使いながら、子どもたちの「おもしろい!もっと知りたい!」という主体的な学びを提案していきます。 ―今後の展開と抱負は。

 当社は数年前から子どもたちの心と体の様子を「ライフログ」として可視化し、子どもたちへの声がけやケアのきっかけを与えるアプリ「ここタン」を提供してきました。さらに今後は、テストの結果・宿題の進捗状況の確認なども可視化できる「学習ログ」を活用して、子どもたち個々の理解度を把握した上で個別最適な指導につなげられるよう、生活面・学習面で学校現場に貢献することを目指していきます。

 これらのデジタルデータを活用することで、子どもたちと向き合う時間を確保するとともに、社会問題となっている長時間労働の是正など、先生方の「働き方改革」にも寄与するものと確信しています。今年も当社は、紙とデジタルそれぞれの特性(良さ)を生かし、子どもたちの豊かな学びや教師の働き方改革などに資する商品・サービスを提供することで、学校現場に貢献することを目指していきます。