山里に春を呼び込む「鶏芸」を舞う福地若連中=10日午前10時49分、高山市奥飛騨温泉郷村上、村上神社

 夏山シーズンを前に、飛騨山脈(北アルプス)の岐阜県側の開山祭「播隆(ばんりゅう)祭」が10日、高山市奥飛騨温泉郷村上の村上神社で営まれ、関係者が登山者の安全を願った。

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 槍ケ岳や笠ケ岳を開山したと伝わる播隆上人の偉業をたたえるとともに山の安全を祈願する祭りで、今年で64回目。県や市、警察、山小屋関係者ら約100人が参列した。

 境内の播隆塔前で神事が行われ、参列者が玉串をささげてシーズン中の安全を祈願。奥飛騨温泉郷観光協会の沖本啓介理事長は「世界から多くの登山客を迎えるため、自然保護と地域活性化に努める」とあいさつした。その後、鳥の羽で飾った冠「シャガマ」をかぶった福地若連中が「鶏芸」を、福地温泉民芸同好会がヘビを退治する獅子舞「へんべとり」をそれぞれ奉納。笛や太鼓などの音色に合わせ、山里に春を呼び込む舞を披露した。

 県北アルプス山岳遭難対策協議会によると、2024年度の岐阜県側からの登山者は4万6966人で、コロナ禍前だった19年度の9割近くまで回復。本年度は5万人を見込んでいる。

(山田雄大)