大阪・関西万博で休館が続くアンゴラ館の工事に関わった大阪市の業者による費用未払い問題で、下請け企業の男性社員が30日、大阪府庁で記者会見し、費用が支払われず倒産の危機にあると窮状を訴えた。日本国際博覧会協会や府に相談したが民間同士の問題だとの理由で関与を避けているとし「救ってほしい」と求めた。
この社員によると、アンゴラ館の工事で3次下請けに当たる大阪市の業者から内装設備工事の発注を受けたが、費用約4300万円が支払われず、再三請求しても応じていないという。このため、社員の会社から協力企業への支払いも滞っているといい「仲間を苦しめて情けない。万博に携わらなければよかった」と涙ながらに話した。
協力会社と「万博工事未払い問題被害者の会」を27日付で設立し、未払い分を補填するための寄付を呼びかけるという。
府によると、大阪市の業者は建設業法の許可を受けていない。社員は、工事の発注を受けた際に業者から「許可を申請している」との説明を受けたと明かした。