子ども見守りGPSを悪用したストーカーのイメージ

 衛星利用測位システム(GPS)機器が、ストーカーに使われる例が後を絶たない。法改正により無断で取り付ける行為などは禁止されたが、関連相談は近年右肩上がりで、2024年には500件を超えた。子どもに持たせる見守り用が使われた事件もあり、警察当局は手軽に購入できる機器が悪用される事態に危機感を募らせている。

 「(女性の)自転車にGPSを付けた」。ストーカーしていた20代女性をマンション階段から突き落としたとして、大阪府警に5月に逮捕された40代男はこう供述した。

 捜査関係者によると、男は3月中旬ごろ、自転車に子ども見守り用のGPSを設置。女性は男が逮捕されるまで、約1カ月以上もの間気付かなかった。

 機器はスマートフォンのアプリと連動させた上で、子どもに持たせると、居場所が確認できる。特定の場所をアプリで指定し、機器が近づくと連動していたスマホに通知が届く機能もある。

 府警に逮捕された男はこの仕組みを利用。女性の自宅を指定し、女性の自転車が近づいた際に男のスマホで通知を受け取っていた。