神戸市の路上で2010年に私立高2年堤将太さん=当時(16)=を刺殺したとして殺人罪に問われた当時17歳の男(32)=愛知県豊山町=の控訴審判決で大阪高裁(村越一浩裁判長)は20日、懲役18年とした一審神戸地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。

 一審の裁判員裁判で男は殺意を否認。23年6月の一審判決は、殺傷能力の高いナイフで堤さんの頭部や首を複数回刺したことなどから殺意を認め、精神鑑定医の証言などから完全責任能力があったと判断した。

 村越裁判長は判決理由で、被告の幻聴や妄想は病的なものではなく、責任能力を失わせるための詐病だった可能性が高いとした一審判決を支持した。