京都の伝統産業、西陣織を活用した宇宙服=京都市左京区

 京都大や宇宙ベンチャーなどが、京都の伝統産業である西陣織を活用した宇宙服の開発プロジェクトを始めた。職業飛行士だけでなく一般人も宇宙旅行する時代の到来をにらみ、デザイン性の高い西陣織で世界唯一の“映える”宇宙服を狙う。2030年代前半の実用化を目指し、試作品は大阪・関西万博で10日から展示する。

 宇宙服には耐熱性や耐摩耗性などが求められる。内部には岐阜医療科学大が開発する皮膚に密着したスーツを、外側部分には西陣織を活用する。京大の山敷庸亮教授は「西陣織は縦糸と横糸の交差でいろんな柄を出せる。高強度な化学繊維を複数用いれば、宇宙空間に耐えうる宇宙服ができる」と話した。