ビール大手4社の2025年6月中間連結決算が8日、出そろった。円高基調による為替差損の影響などで、純利益は全社が減益となった。さらに、北米事業を抱えるサッポロホールディングス(HD)などは今後、米国によるアルミニウムの関税引き上げで缶の調達コストが増える見通し。サントリーHDは米国に輸出するウイスキーも関税政策の影響を受ける。
サッポロHDは売上高に当たる売上収益が前年同期比1・2%減の2446億円、純利益は70・6%減の17億円だった。国内は好調だったが、米国で景気の不透明感からビールが振るわなかった。北米で缶ビールを現地製造しており、関税引き上げで今後約7億円のコスト増を見込む。
サントリーの売上収益は1・9%減の1兆6176億円、純利益は35・7%減の596億円だった。海外子会社の売却損が響いた。欧米のスピリッツ事業が不調で、さらに今後は米国で清涼飲料の缶の負担も増える。
キリンHDの売上収益は3・7%増の1兆1363億円で過去最高、純利益は7・7%減の528億円だった。