春季県大会4強の岐阜第一、大垣日大、帝京大可児、中京が各ブロックの軸となりそう。大垣日大のいるBブロックには昨夏の覇者で、投打ともに層が厚い県岐阜商、帝京大可児が第1シードのCブロックには大垣商や岐阜城北など強豪が名を連ね、激戦が予想される。各ブロックの注目校や注目選手を挙げながら展望する。

>>第104回全国高校野球選手権岐阜大会組み合わせはこちらから<<

◆Aブロック 岐阜第一、投手成長

 春季東海大会準優勝の岐阜第一が頭一つ抜ける。春季大会ではエースとして投げた古川晴翔に加え、弘川泰暉がけがから復帰した。力強い直球が武器の古川と、制球力や緩いカーブが持ち味の弘川の2人が投手陣の軸。後守叡や右横手投げの中島嵐らも台頭し、投手陣の層が厚くなった。打線はパンチ力のある浅野恵介や福井一颯、勝負強い高橋翼ら好打者が並び、どの打順からも好機をつくることができる。岐阜第一と初戦を戦う昨夏ベスト4の岐阜各務野も力がある。加藤能塁、杉本耀の投手陣と巧打の捕手早田健人のバッテリーが強み。昨夏8強の加茂農林は、昨年も登板経験のある田中登惟、稲川颯汰の左右の好投手がチームをけん引する。好バッテリーを擁する岐阜との初戦にも注目が集まる。

◆Bブロック 強豪2校がリード

 選抜大会に出場し、春県2位の大垣日大、昨年の覇者、県岐阜商の2校がリードする。大垣日大は身長183センチで角度のある直球を投げる大型左腕三松将也、コースを突く制球力が武器の五島幹士、伸びのある直球が持ち味の山田渓太ら投手陣が充実。打線も河村岳竜や米津煌太、西脇昂暉らパンチ力のある強打者がそろい、切れ目がない。県岐阜商は最速140キロを超える投手がそろう。エース井上悠は最速145キロ以上で、スライダーやチェンジアップといった変化球も多彩。甲子園でも登板した小西彩翔も調子を上げてきた。打線は高校通算20本塁打超えの伊藤颯希を軸に積極性のある打者が並ぶ。大垣日大、県岐阜商に岐阜総合や東濃実が挑む構図になりそう。初戦の大垣日大-美濃加茂も好カードだ。

◆Cブロック 帝京大可児が中心

 春県3位の帝京大可児がリードし、大垣商や岐阜城北が追う展開になりそう。帝京大可児は、制球力が良く、クレバーな投球が持ち味の左腕山岡航大と速球派の右腕鈴木孝介の両投手がチームを支える。特に山岡は、場面に応じて投法を変える器用さを持ち合わせ、打者に的を絞らせない。強打の捕手安積杏汰を軸に打撃もレベルを上げている。対抗馬になりそうな大垣商は、直球主体で球に重みがある右の本格派でエースの臼井崇真、打者の手元で伸びる直球が特長の左腕大橋一斗の2投手の継投のタイミングが勝敗を左右しそう。岐阜城北も一発のある秋田和佳を中心とした打線が強力で、攻撃力は高いものがある。関商工-大垣北は、近年力を付けてきたチーム同士の対決で注目だ。

◆Dブロック 中京、投打に隙なし

 好投手瀬戸亮太擁する中京が投打で抜ける。瀬戸は春季県大会の岐阜聖徳戦で7回参考記録ながらノーヒットノーランを達成。冬場に重点的にウエートトレーニングを行い、体を鍛え抜いたことで投球の質を上げた。直球だけでなく、スライダーなどの変化球の切れも抜群。長打力のある根津康生や井上士門、ミート力の高い黒田颯汰、巧打の古屋睦仁らが並んだ打線も破壊力があり、序盤で試合を決める強さがある。強豪に続くのは昨夏準優勝の市岐阜商と、昨年4回戦で岐阜第一を破った海津明誠か。市岐阜商は昨夏のように投打で突出した選手は不在だが、前チームからレギュラーの大林永愛を中心に粘り強い打撃で接戦をものにする力がある。小林賢人ら投手陣が安定する海津明誠も面白い存在になりそう。