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20年後「富有柿」鮮やかな色なくなる?既に予兆が...温暖化影響



  • 美しく色づいた富有柿。将来は見られなくなる可能性もある(県提供) 
  • オンラインで行われた県気候変動適応センターの研究発表会=県庁 

 岐阜県の特産品「富有柿」の鮮やかで濃いだいだい色が約20年後の2040年代、地球温暖化の影響で見られなくなるかもしれない―。県と岐阜大でつくる県気候変動適応センターは8日、9月の平均気温の上昇によって、本巣市や瑞穂市など現在の産地のほとんどで柿の着色不良が起きやすくなる、という研究成果を発表した。

 岐阜大応用生物科学部の山田邦夫教授と同大流域圏科学研究センターの原田守啓准教授が、県農業技術センターと協力して調べた。研究チームは過去の気象データを基に、富有柿の栽培に適した土地の地図を作成。40年代に見込まれる気温の変化を調べた。

 柿は緑色の成分「クロロフィル」が薄くなり、だいだい色の成分「カロテノイド」が濃くなることで色づく。山田教授によると、カロテノイドがうまく合成されない「9月の平均気温が21~23度」という指標を将来は大半の産地で超え、着色不良の恐れが高まることが判明した。熟しても緑色が残る柿になるという。

 地球温暖化研究のパイオニアの真鍋淑郎・米プリンストン大上席研究員が今年のノーベル物理学賞に決まるなど、気候変動への関心が高まっている。県庁で開かれた研究報告会で山田教授は「甘みはあっても色が乗らない柿が近年多く見つかっている。変化は始まっていると考えている」と強調し、温暖化の進行に警鐘を鳴らした。対応策として、品種の選定や亜熱帯系作物への転換などを挙げた。農家への情報提供も始めたという。

 報告会では他に、温暖化で見込まれる県内風水害の変化など三つのテーマの発表があった。県気候変動適応センターのウェブページで閲覧できる。

カテゴリ: くらし・文化 科学