実験する五十川佑一郎さん(手前)ら「iGEM Gifu」のメンバー=岐阜市柳戸、岐阜大

 岐阜大(岐阜市柳戸)応用生物科学部の学生チームが、唾液を用いた簡易なストレスの可視化に挑み、合成生物学の世界大会「iGEM2021」で金メダルを獲得した。健康診断に導入し、慢性的なストレスを抱える人の早期発見につなげることも提案。実用化されれば、「ストレスの定量化」という画期的な発明として注目を集めそうだ。

 チームは4年五十川佑一郎さん(22)、3年佐藤杏香さん(22)ら約10人でつくる研究サークル「iGEM Gifu」。

 五十川さんらは、ほとんど全ての人間に潜伏し、疲労で活性化するとされる「ヒトヘルペスウイルス6型」に着目し、疲労定量化システム「TESTIFY(テスティファイ)」を発案。唾液中のウイルス量を測る酵素を遺伝子組み換え技術で造成し、ストレスを数値化する仮説を立てた。

 新型コロナウイルス感染対策に伴う緊急事態宣言と重なったため学内での実験が一切できず、仮説の実証には至らなかったが、医療機関での利用のほか、自宅で気軽にストレスを測定できる簡易キットの作成など、さまざまな用途への応用を想定している。

 大会へは、7度目の挑戦。発足した2014年に初出場し、これまでに獲得したのは銅メダル、銀メダル。初の金メダル獲得に、五十川さんは「個人的に3度目の挑戦だったので感無量」、佐藤さんは「サークルの仲間と支えてくれた周りの人たちに感謝したい」と笑顔で話した。

 サークルでは今後、実験を進めて仮説の実証に挑む一方で、合成生物学の魅力を広める活動も行う。無料通信アプリLINE(ライン)で菌類をモチーフにしたスタンプを発売中。合成生物学に親しんでもらうゲームの開発にも取り組むという。

 大会は11月4~14日にオンラインで開催され、世界各国から343チームが出場した。日本からは、同サークルを含む7チームが参加。英語での発表動画やウェブサイトの制作など11の課題を成し遂げ、東京大、京都大とともに金賞に輝いた。