福祉の現場では、利用者のため、地域のため、職員に元気いっぱいに自分らしく働いてもらうために、さまざまな工夫を凝らしています。新たな取り組みに挑む施設も多々。ニューチャレンジや自慢の取り組みをのぞいてみましょう。

日比野克彦さんの全国プロジェクトに参加

7月下旬、関市の「ひまわりの丘」では明後日朝顔プロジェクトのアサガオが50個以上も開花

 岐阜県福祉事業団では本年度から、岐阜市出身のアーティストで県美術館長の日比野克彦さんが提唱し、全国各地の住民がアサガオ栽培を通して交流するイベント「明後日(あさって)朝顔プロジェクト」に参加。プロジェクトが始まった20年前から受け継がれているタネを、事業団の7つの施設で大切に育てています。

 昨年度、県内で開かれた全国社会福祉事業団大会で、日比野さんが特別講演をしたことが縁でプロジェクトに参加することに。タネは県美術館から引き継ぎました。

 関市桐ケ丘の障害者支援施設「ひまわりの丘」では、発芽までを通所の利用者らがポットで熱心に育て、5月に県美術館の職員やアートコミュニケーターらも手伝ってプランターに植え替えて事務棟の前に設置。合わせて2階建ての建物の屋上に向けてつるを誘導するロープを張りました。

 つるはどんどん伸び、7月には2階の窓付近にまで成長。中旬に花を付け、多い日は50個以上が開花するほどに成長しました。「今日はどのくらい咲いたかな」と見上げることが、利用者にとって楽しみな時間になっています。