やりがい聞いてみました

准看護師から介護職員に転身
長谷川さん(山内ホスピタル介護老人保健施設・岐阜市)

利用者とじっくり向き合いたくて、准看護師から介護職員に転身した長谷川さん。屋上の庭園の活用に力を入れている=岐阜市薮田南、山内ホスピタル介護老人保健施設

ー介護職員になったきっかけは。

 もともと高齢の方とお話することが好きで、介護や福祉に興味があったので、准看護学校に進んで資格を取りました。いったんは販売関係の仕事に就きましたが、25歳ぐらいの時にやっぱり介護現場で働きたいと思い、准看護師としてデイサービスで働くことにしました。

 当然のことではありますが、准看護師と介護職員の役割は違い、准看護師は利用者のバイタルを把握してケアに回ることが主。そのため、次第に利用者とじっくり向き合える介護職員になりたいと思うようになっていきました。

 デイサービスでは10年ほど働き、現在、年中の子の出産を機に退職しました。ちなみに子どもは2人いて、上の子は小学6年生です。

 下の子が1歳半ぐらいで再び働くことにしたのですが、介護職員の採用を探すことにして、山内ホスピタル介護老人保健施設に就職。1年半前には国家資格の介護福祉士を取得しました。

ーやりがいや大変なことは。

 利用者に名前で呼んでいただけたり「長谷川さんの声が聞けて元気になった」と言っていただけたりするとうれしいです。体力的につらいと思うことはありますが、毎日が楽しく、辞めたいと思ったことは一度もありません。

 特に好きなのは入浴介助です。入浴介助は、基本的には利用者と1対1の時間。一番じっくりとお話ができる時間だと思っています。仕事のことや趣味のことなどをお話ししていただくこともあり、この時の話を参考に、例えば教員だった方には脳トレ、絵が好きという方にはちぎり絵をお渡しするなど、レクリエーションにも生かしています。

ー今後の目標は。

 利用者の皆さんに、「ここでの時間は楽しいな」と思って過ごしてもらえるよう、レクリエーションをもっと一人一人に寄り添ったものにしたいと常々思っています。

 その一環で力を入れているのが屋上の庭園の活用です。利用者が好きだという花を植えたり、アサガオを育てて摘んで一緒に染め物をしたり。喜んでいただいています。

 すぐ近くに県庁があるのですが、昨年12月に竣工した県庁新庁舎の建設中は、どんどん大きくなっていく様子を屋上庭園から利用者と見守っていました。本年度からは外出レクを復活させたので「県庁が完成したら行ってみたい」という声をすぐに形にしました。20階の展望ロビーに行ったときの利用者のうれしそうな顔はとても印象に残っています。

ー職場の自慢できる点は。

 介護職、看護職、リハビリ職と多職種が働いているのですが、協力体制が整っている点が自慢です。それぞれを尊重し合っていて、すぐに相談できて働きやすいです。

 子育て中の職員への支援が手厚い点も自慢です。土日祝日の勤務に不安があったため、最初はパートとして働き始めました。しかし、小学校や保育園が休みの日は、施設側で保育士を雇ってくださることになり、そのおかげで常勤として働けるようになりました。土日祝日に働けることで、逆に平日に休みやすくなり、授業参観などにも行きやすくなりました。他にも急な発熱の時などにも気を使っていただいていて、本当にありがたいと感じています。