新型コロナウイルスワクチンの5~11歳の子どもへの接種が、1日から岐阜県内の自治体で順次始まる。接種には保護者の同意が必要で、通信アプリ「LINE(ライン)」で読者とつながる岐阜新聞の「あなた発!トクダネ取材班」(あなトク)は、対象の子どもがいる保護者らに「ワクチンを打たせるかどうか」を尋ねた。日常生活を少しでも安心して過ごすために「打たせる」とする声が寄せられた一方、副反応への懸念などから「打たせない」と答える保護者もいた。

 「早めに接種したい」と答えたのは、小学4年の子どもを持つ美濃加茂市の主婦(45)。2年近く旅行に行けておらず「子どもにもかなりのストレスを与えていると思う」。「一人一人が気を付けて生活をしていくべき。ワクチン接種がその一つの手段と考えている」とした。

 岐阜市のパート女性(45)は、小学3年の娘が通う学校で、多いときに3分の1が学級閉鎖になっているという。基礎疾患のある家族もおり「気が気ではありません」と吐露。副反応への不安はあるが「安心を持つためにできる限りのことはしたい」と接種させる予定。大垣市のパート女性(49)は打たせたくないと考えていたが「子どもが『打つとリスクが下がる。だから早く打ちたい』と言うので」と明かす。意思を尊重して打たせるつもりだ。

 第6波では保育園や小学校で子どもへの感染も広がる。2人の子どもがいる高山市の女性(40)は「感染リスクを考えると接種させようかと思います。少しでも命が奪われる確率が低い方を選びます」と答えた。

 一方で、打たせないと考える保護者の声も根強かった。

 8歳の子どもがいる可児市のパート女性(38)は、自身がワクチン接種した際に頭痛など副反応がつらかった経験から「子どもにも出るとしたら嫌だなと思う」と打たせない方針。対象の子どもが2人いる岐阜市の女性(34)も「投薬治療も出てきているので、様子を見たい」と控える姿勢だ。岐阜市の主婦(39)は「未来ある子どもに打つには不安がある。政府が認めない副作用もあるはず。日本製のワクチンができるのを待ちたい」と答えた。

 高齢者に比べ、子どもは重症化のリスクが低いとされ、岐阜市の女性会社員(36)は「手洗い、マスクの感染予防に注力したい」と対策を徹底して接種は見送る考えだ。岐阜市の主婦(39)は接種させないつもりだが、「なぜ打たないの、とハラスメントを受ける不安はある」と周囲から差別されないか心配する。

 意見は26日から募り、28日までに約50人から寄せられた。