子どもにも感染が広がるオミクロン株。「重症感はあまりない」と話す磯貝光治医師=岐阜市内

 強い感染力を持つ変異株「オミクロン株」の出現で、新型コロナウイルスの感染が子どもの間でも急増している。岐阜県内でも保育所の休園、学校の休校が相次ぎ、子どもの日常生活に影響を及ぼしている。3月にも5~11歳へのワクチン接種も始まるが、子どもの感染対策をどのように講じればいいのだろうか。岐阜県医師会常務理事で感染症担当の小児科医磯貝光治さん(54)に聞いた。

 ―オミクロン株で子どもの感染者が増えている。

 感染力はデルタ株の3倍以上。患者の絶対数が増えているので、子どもの感染者も増加している。全体に占める割合は20、30代ではデルタ株の第5波の10%台から20%台に増加しているが、10歳未満は1割のまま。年齢が低いほど行動範囲は狭く、10歳未満の6~7割が家庭内感染で、保育所や小学校での感染者数は1~2割と低い。

 ―子どもの症状は。

 健康な子どもならば、熱風邪、せき風邪のようで、症状は重くない。上気道に炎症が起きやすいというオミクロン株特有の症状は子どもでも変わらない。経口治療薬「モルヌピラビル」は18歳以上で重症化リスクのある患者が対象なので、子どもでは対症療法のみとなる。症状に応じて解熱剤、せき止めの薬などを服用させていい。

 ―家庭での感染対策は。

 基本は手洗い。外出先などで手洗いができない場合はアルコール消毒となる。手首や指の間もきちんと洗ってほしい。ポンプ式の消毒は最後まで押し切った量が1回分。正しい量を使わないと効果は発揮されない。飛沫(ひまつ)感染、エアロゾル感染がほとんどなので換気も大切だ。換気扇は周囲の空気を入れ換えるだけなので、対角線上に2カ所の窓を開けるのが理想。

 ―国内でも5歳~11歳のワクチン接種が始まる。

 この年代のワクチンは米ファイザー社製のみ。オミクロン株では、ワクチン2回接種後でも感染が確認される「ブレークスルー感染」が報告されているが、子どもでも、重症化予防と一定の感染予防の効果は期待できる。日本小児科学会は、持病のある子どもは重症化を防ぐために優先的な接種を促し、健康な子どもも接種は意義があるとしている。大人よりも少ないが副反応は起きうるので、メリットとデメリットを理解した上で決めるべき。子どもを新型コロナから守るには、周囲の大人の感染予防が重要ということも忘れないでほしい。