-2024年を振り返って。

 資材高騰の影響は深刻で、主力製品の製菓・製パンの紙カップは、更なる値上げを図らざるを得ない状況となりました。パンの原材料も高騰していますから、製パンメーカーの中にはこれまで使っていたカップをなくして販売価格を抑えるという動きもありましたが、カップには、形を整えて見た目を引き立たせる、運送時に崩れにくくするなどの利点があります。おいしそうに見えなければ売れませんので、カップの必要性を改めてご理解いただくことにつながりました。

 -「平野紙器のものを」と思っていただける理由は。

 「良品」「納期遵守」を徹底していることが全てではないでしょうか。弊社では、入社後全員が3カ月間の製造現場研修を行います。そのため、営業担当が商談に行った際に納期の相談を受けても、現場の動きが分かっていますから持ち帰って返答することがほとんどありません。「受けた注文は必ず納期通りに納入する」その評価が昨年は例年以上に同業他社から弊社への「転注」につながり、お客さまから多大な信用と信頼をいただいていることは間違いのないところです。

 -今年の抱負をお願いします。

 今年は人材育成に注力する1年にしたいです。この6年間、高校生や専門学校生を中心に毎年採用しており、ほとんどが辞めずに頑張ってくれています。厳しい話にはなりますが、入社後のオリエンテーションで「成果=対価」を自覚してもらうように指導しています。これが認識できれば、大変なことがあっても必ず乗り越えられます。私も自ら若手社員の働きぶりを確認し、入社後2・3年の社員であってもリーダーに抜擢して育成します。若い社員には「今の状態をキープすれば会社の将来も明るい」ということを感じ、平野紙器の社風や、やり方を学びながら頑張っていただきたいですね。