-新年の市場環境は。
電子事業では、AI(人工知能)の需要はこのまま強く続くと思います。一方、汎用(はんよう)サーバーの本格的な回復は2025年度の後半になりそうです。パソコン関係も緩やかに戻りつつありますが、プレーヤーが多く、価格大競争時代に突入しています。
-新工場の進捗(しんちょく)は。
大野工場の立ち上げは計画通りで、25年度後半には収益に寄与してくる見通しです。現在のAI向け生産ラインはフル稼働状態なので、新工場が稼働するまでの間、既存工場のライン改造などで需要に対応します。河間工場は26年の稼働予定ですが、市況を見ながら取引先と話し合いを進めます。
-セラミック事業の展望は。
自動車関連も停滞感が続いています。中国や欧米が戻っておらず、EV(電気自動車)化も足踏み状態なので、全体的に低調です。パワー半導体向けのSiC(炭化ケイ素)もEVの伸び悩みで過剰気味です。25年はシェアを取り合う、我慢の年になりそうです。
-次なる成長への投資は。
電子関連では、新工場の稼働が当面の主なテーマですが、次世代3Dパッケージやガラスコア基板など、エレクトロニクス領域を中心とした研究開発にも取り組んでいきます。セラミック関連では、大垣北工場(揖斐郡揖斐川町)で昨年、NEV(新エネルギー車)関連の安全部材の製造ラインを立ち上げました。今後はそれらの製品を北米や欧州へ出していくため、海外での新たなライン構築も考えていく必要があります。
-社員へのメッセージは。
昨年の就任以来、会社の文化をさらに良いものに変えていくと言ってきました。中堅の人たちと毎週話し合いを重ね、もっとさまざまな仕組みを変える必要があると感じています。時間はかかるかもしれませんが、2年目はより具体的に実践する年にしたいです。
