【ブカレスト共同】東欧ルーマニアで18日、やり直しとなった大統領選の決選投票が始まった。4日の第1回投票で1位だった野党の極右政党、ルーマニア人統一同盟のシミオン党首(38)と、2位の無所属で中道の首都ブカレストのダン市長(55)が接戦の情勢となっている。
選挙は昨年11月、泡沫と目されていた極右で親ロシア派の無名候補、ジョルジェスク氏(63)が中国系動画投稿アプリTikTokを駆使して予想外の首位となった。情報機関がロシアによる選挙介入の疑いを指摘。憲法裁判所が無効を宣言し、異例の再実施となった。
シミオン氏は欧州連合(EU)への統合強化に懐疑的で、隣国ウクライナへの軍事支援にも反対する。自国第一主義を掲げ、トランプ米大統領を称賛。当選した場合には今回の大統領選に出馬が認められなかったジョルジェスク氏を首相に任命すると公言している。
ダン氏は、これまでの政権の親EU、親北大西洋条約機構(NATO)路線を継続する方針。米国との関係強化や隣国モルドバのEU加盟支援を訴えている。