「やおつーしん」の機能を説明する岩井好正防災安全室長=加茂郡八百津町役場

 岐阜県加茂郡八百津町が、町内の全世帯にタブレットを1台ずつ無料配布し、防災情報やイベント案内などの生活情報を発信する「やおつーしん」を4月1日から始める。全戸にタブレットを配布する取り組みは県内初で、紙媒体や音声とは違い、身近な情報をいつでも手軽に得られるよう利便性を高める。現在、試用期間として情報配信を始めているが、タブレットを使いこなせない高齢者もおり、運用には課題も残っている。

 配信情報は多岐にわたる。雨量は10分ごとに24時間更新し、建物、林野火災が発生すれば、速報して現場の地図も示す。特別警報発令や避難所開設などの情報は最大音量で知らせる。一方で、自治会を通して配布される町からの回覧文書など、身近な情報も配信されるほか、カレンダーのアイコンをタッチすれば、ごみの回収日や健康診断実施日などが示される。

 町の約4200世帯のうち希望者に配布しているが、強制ではないため、3月18日時点で配布できたのは約75%の3119台。町防災安全室の岩井好正室長は「使い方が分からないため受け取らない人や、タブレットと聞いただけで拒絶感を示す人もいる」と話す。

 既に配布された同町久田見の男性(72)は、画面の「新しいお知らせがあります」とのメッセージに気付き、画面をタッチした。内容はコロナの最新情報や広報誌。過去に届いたお知らせを見ることもできるため、男性は「使い慣れれば便利」と話す。操作方法は小学3年生の孫に教えてもらった。メイン画面は文字が大きくシンプルだが「1人暮らしの80代、90代が操作するのは無理かなあ」と話した。

 町は各地で使い方の講習会を開いたり、民生委員に受け取りを呼び掛けてもらうなどの対応をしており、4月の正式稼働後も全世帯導入を目指して普及に努める。岩井室長は「まずは一度タブレットに触れてほしい。使い勝手の良さや利便性が分かるはず」と呼び掛ける。

 町はこれまで、音声だけのアナログ防災行政無線受信機を全世帯に設置していたが、9月末で終了する方針。屋外拡声器での放送は続ける。町総務課の石井寿人課長は「10月が転換期。それまでに導入率を上げる必要がある」と話した。