全日本空輸と日本航空が国際線を強化している。昨年末から欧米各都市への新路線が次々と就航。航空機を増やし、外国人の好みを意識した新シートを採用するなど対応を急ぐ。コロナ禍の収束後は海外の航空会社との旅客獲得競争が激しくなり、増加する需要を捉えようと懸命だ。
全日空は2024年12月にイタリア・ミラノ、25年1月にスウェーデン・ストックホルム、2月にはトルコ・イスタンブールと羽田を週3往復する定期便を就航させた。ANAホールディングスは国際線向けボーイング787―9を18機発注。座席間隔が広く、体の大きい外国人でも座りやすい新シートをエコノミークラスなどに導入する。
日航も5月、東南アジアやインドと北米間の乗り継ぎに便利な成田―シカゴ線を開設した。大リーグとスポンサー契約を結び、観戦ツアーの売り出しに力を入れる。
円安を背景に訪日客を集める日本には海外の航空各社も熱視線を送る。2月以降、フィンエアーやカタール航空が増便。エミレーツ航空は日本路線を「搭乗率85%以上を誇る重要な市場だ」(担当者)と位置付ける。