略式代執行によって撤去作業に取り組む工事請負業者=美濃加茂市森山町
略式代執行の開始宣言をする美濃加茂市都市計画課の日比野剛司課長=同

 岐阜県美濃加茂市は14日、空家対策特別措置法に基づき、同市森山町にある木造平屋の空き家について略式代執行による解体作業を開始した。同執行は市内では初めて。

 空き家は築約80年で、面積は約80平方メートル。屋根が崩落し、瓦の一部が家の前の市道に落下する事例もあるなど建物の老朽化が著しい。家の所有者は15年ほど前に死亡しており、相続権者が見つかっていない。近隣住民は約10年前から市に対応を求めて働き掛けてきた。

 市は昨年10月、管理に問題のある空き家として「特定空き家」に認定した。放置すれば倒壊など周囲に危険を及ぼす恐れがあるため、本来は建物所有者や相続権者が責任を持って管理すべきものだが、やむを得ず代執行に至った。

 市都市政策部都市計画課の日比野剛司課長が略式代執行の開始宣言を行い、解体に向けた作業が行われた。建物の解体作業は26日の終了を予定し、解体費用は約230万円。

 市によると、市が把握している空き家件数は太田、古井地区を中心に約630件で年々増加傾向にあり、特定空き家に認定された物件は、同所以外にはない。日比野課長は「高齢化が進む中、空き家にしないための対策や空き家の利活用に今後力を入れたい」と話した。