―2024年を振り返って。
昨年は自動車生産台数の低調が続き、来年、再来年に向けて力を蓄える1年となりました。新商品の開発や、異種混合の不織布をリサイクルして再び製品化するという新技術の売り込みに力を入れました。その中で、秋には明るいニュースがありました。不織布業界の専門誌「ノンウーブンズ・インダストリー」が発表する「世界における売上トップ企業」に、当社がランクインしたのです。世界の仲間入りを果たせたことを嬉しく思います。
―ペット向け製品も好調ですね。
特にネコハウスは、ふるさと納税の返礼品に加わったことで、売り上げが伸びました。新年には、ネコの爪とぎ用マットを発売する予定です。従来の麻ひもや段ボール製品はすぐにボロボロになり、掃除が大変だという声がありました。新製品では引っかきに強い不織布を使用し、交換の手間も減ります。今度は一般消費者向け(BtoC)事業も少しずつ強化していきたいと考えています。
―円安や物価高騰の影響は。
とにかく安定してほしいというのが本音です。安定しなければ、お客さまへの価格にも支障が出ます。光熱費の高騰は厳しいですが、最近は業界全体で価格転嫁が認められる雰囲気を感じています。これまで難しかった価格転嫁が可能になり、好循環へとつながればと思っています。
―新年の抱負をお願いします。
繊維業界は厳しい状況が続き、国内生産が増える見込みはないと言われています。しかし、時代に合わせた転換が課題だと考えています。自動車部品においては、製品数を増やすだけでなく、リサイクル技術で新たに生まれた製品の普及も目指します。これからの取り組みは5年、10年先の社会に向けた重要なステップで、分野にこだわらず私たちの技術を生かせるものであれば何でも挑戦していきたいと思います。
