-昨年を振り返って。

 主力の冷凍おせちと洋菓子の製造販売はどちらも順調に推移し、増収増益となりました。ただ、円安が続いて輸入品の仕入れ値が高騰。また地球温暖化の影響か、おせちに使う海産物などの産地に変化が起きており、食材確保や品質保持の重要性が増してきたと感じます。こうした状況は今後も続くことを見越して、しっかりと基礎固めを行っていく考えです。

 -おせち事業について。

 主力商品として、毎年ブラッシュアップを続けています。できる限り最高の味を、最もおいしい状態でお客さまに届けるため、産地へ出向き品質を確かめ、生産関係者と対話を重ねて、仕入れ時期や調理法を模索。一度お試しいただくと「子どもが喜んで食べた」「また来年も」とリピートしていただけます。昨年も生産数を34万セットに伸ばすことができました。

 -洋菓子事業については。

 昨年は東京と大阪の2店舗をオープン。関西は初出店となり、合わせて6店舗となりました。看板商品は森の恵みを詰め込んだクッキー缶「プティ・ボワ」で、季節や店舗ごとの限定缶も人気。他社とのコラボレーション缶も広がりを見せています。今後はセカンドラインの商品も幅広くそろえる予定です。銀の森の世界観をお届けできるよう、新たな展開も構想中のため、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

 -元ゴルフ場での森づくり事業は。

 森の恵みを受け取って運営する企業だからこそ、森に恩返しをしようと始めた取り組みです。昨年は土壌改良のために大麦を栽培。授業の一環として、恵那農業高校の生徒たちも収穫に参加してくれました。今年は同事業をもっと発信して、仲間を増やしていきたいです。将来的には必要な水やエネルギーをすべて森の中で循環させる「サーキュラーエコノミー」も視野に入れ、「森づくり」を模索していきます。