定期的に懇親会を開催するマニラ県人会のメンバー=フィリピン・マニラ

 マニラ岐阜県人会は、2015年の古田肇知事の来比を機に発足され、現在の会員数は約80名です。コロナ禍では活動を自粛していますが、平時には、懇親会やゴルフコンペを定期的に行い、県人会メンバーの結束を固め、岐阜県とフィリピンの交流イベントを企画・開催しています。

 皆さまは「フィリピン」と聞いてどのような印象を抱かれるでしょうか。危ない、怖い、貧しい国などのネガティブなイメージや、セブ島などのリゾートを思い浮かべる方が多いと思います。私は治安や食事を心配していましたが、実際に来ると、生活に困ることや身の危険を感じることはなく、近代化が進んでいる住みやすい国であると分かりました。

 フィリピン共和国(首都マニラ)は、7千以上の島々からなり、人口は約1億900万人(平均年齢約24歳)、国土面積は約30万平方メートル(日本の約8割)です。大航海時代にマゼランが発見し、国名は、スペインの皇太子フェリペ2世にちなみ、「フィリピナス諸島」と名付けられたことに由来します。公用語はタガログ語と英語。東南アジア諸国連合(ASEAN)唯一のキリスト教国ですが、ミンダナオ島を中心に人口の約5%はイスラム教徒です。スペイン、アメリカ、日本による植民地化の歴史があり、特にスペインの文化が色濃く残り、歴史的建造物や世界遺産も多くあります。

 マルコス独裁政権により、国際社会から後れを取り、アジアの病人と呼ばれた時代もありましたが、1986年以降は民主化が進みました。ドゥテルテ現政権は、汚職撲滅や麻薬取り締まりを徹底し、治安は大幅に改善。インフラ投資拡大や税制改革、外資規制緩和も実施し、首都圏にはマカティやBGC、オルティガスといった近代的高層ビルが立ち並ぶ地域が誕生、経済成長が続いています。今年7月より新政権となるため、今後の政策が注目されています。

 また、日系企業は約1500社進出、日本人は約2万人在住しています。日本は最大の貿易相手国、政府開発援助(ODA)供与国であり、道路や鉄道などのインフラ整備や人材育成、技術提供など幅広く援助しており、今後の日比関係が一層深化することが期待されます。

 近代化の道を歩み始めたフィリピン。多くの方がご来比され、モダンな街並み、歴史、リゾートなどを同時に楽しんでいただければ幸いです。

◆マニラ県人会 鈴木政善さん略歴

 すずき・まさよし 関市出身(2007年関高校卒業)。日系金融機関に勤務。東京、ドバイでの駐在を経て、17年よりマニラ在住。33歳。
 両親のサポートにより、学生時代に海外留学、旅行を多数経験。大学卒業時、将来はグローバルに活躍することを決意し、メガバンクに就職。

▼メッセージ

 岐阜県とフィリピンをつなぐ活動を積極的に行い、岐阜県民の皆さまにフィリピンの良さを知ってもらうとともに、フィリピン人に岐阜県の魅力を伝えていきたいです。