オグリの里

渡辺騎手、2連勝で全国トップ

2018年10月12日 17:28

YJS名古屋ラウンドの1戦目、2戦目を連勝。表彰式で花束を手にする渡辺竜也騎手

 笠松の渡辺竜也騎手のワンマンショーだった。雨の中、名古屋競馬場で行われた「ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)」トライアルラウンドで、鮮やかな逃げ切り勝ちを連発。合計ポイントで地方騎手西日本、東日本両地区の1位の座を奪取。JRA騎手を含めても全国トップに躍り出た。応援に駆け付けた家族やファンらの前で圧倒的パフォーマンスを見せて、2年連続となるファイナルラウンド進出へも大きく前進した。

 年末に大井、中山で行われるファイナルラウンド進出を目指して、若手ジョッキーが各地で熱戦を展開。西日本地区5戦目の名古屋ラウンドには地方競馬から5人、JRAから5人が参戦。このうち昨年のファイナリストは、渡辺騎手と森裕太朗騎手(JRA)の2人。笠松の水野翔騎手は負傷療養中のため欠場したが、最終戦の園田ラウンドではまだ「代打出場」の可能性も残っており、まずは地元のレースで元気な姿を見せてほしい。

エスペレラヴニールに騎乗し、今年のYJSで初勝利を飾った渡辺騎手

1着が確定し、笠松勢の意地を見せた

 渡辺騎手はデビュー2年目の18歳で、Vサインに彩られた勝負服で実力をアピールした。「名古屋では連勝を狙います」の宣言通りの積極的なレース運び。コーナーがきつい小回りコースの地元・笠松で磨いてきた先行力を、名古屋ラウンドでも存分に発揮。1戦目の第9R(1400メートル)は大外10番枠から、2戦目の第11R(同)は最内1番枠からのスタート。「ゲートは得意」というだけあって、抜群のダッシュを決めて快走した。

 

 

 

 

  

フラワーイレブンに騎乗し、先頭で最初のゴール前を快走。リードを広げて連勝を飾った

川西毅調教師(中央)が管理するフラワーイレブンで勝ち、喜びの関係者

 騎乗馬のくじ運にも恵まれた。1戦目は1番人気エスペレラヴニール(牝4歳、原口次夫厩舎)に騎乗し、マイペースの逃げで4馬身差のゴール。今年のYJSで初勝利を飾った。2戦目は2番人気フラワーイレブン(牝4歳、川西毅厩舎)に騎乗し、最後の直線では後続馬を一気に突き放して大差勝ち(2着馬に2秒差)。名古屋の若手ジョッキーの参加はなかったが、笠松勢の意地を見せて、ゴール前ではファンから大きな声援を浴びていた。2戦目はこの日のメインレースだったが、驚きの圧勝劇で「うまく乗ってくれた」。出迎えた川西調教師も満足そうで、この日のレースぶりが認められて、今後は名古屋での騎乗も増えそうだ。

YJS名古屋ラウンド、連勝で表彰台を独り占めした渡辺騎手

 勝利騎手のセレモニーでは、表彰台と花束を独り占めした渡辺騎手。1戦目については「うれしいです。馬の力が素晴らしく、スタートから先手を奪えた。連勝して(昨年のように)ファイナルへ1位通過したいです」。2戦目は弥富の攻め馬で乗った馬に、レースでも騎乗できた。「気合を入れて先行し、リズム良く2コーナーから離した。JRAのレース(京都・未勝利戦)を逃げ切っている馬で、大差勝ちを再現できた」と勝利を喜んだ。「服部寿希騎手(JRA)騎乗の1番人気馬を意識していたが、4コーナーでも来なかったので、最後の直線も余裕でした」と笑顔だった。ゴールでのガッツポーズはファイナルでの勝利まで封印したようだ。

サインを求めるファンと交流する渡辺騎手

 ウイナーズサークル前には、千葉から駆け付けた祖父母らや女性ファンらが「おめでとう」と勝利を祝福。渡辺騎手は「ゴールインは、めちゃめちゃうれしかった。家族や親戚の人たちの『キャー』とかいう声も聞こえました」と喜びに浸っていた。

 トライアルラウンドの計6レース(笠松、金沢、名古屋)を終えて合計95ポイントでトップに立ったが、西日本地区からは最大4人の地方騎手がファイナルに進出できる。最終となる園田ラウンド(11月7日)には、現在2位の高知・松木大地騎手(92ポイント)、3位の兵庫・長谷部駿弥騎手(72ポイント)、4位の兵庫・石堂響騎手(57ポイント)が出場予定だ。

2連勝のポーズを決めて、笑顔の渡辺騎手

 ファイナルに向けては「最後にポイントを積み重ねられて良かったです。昨年はファイナル(総合8位)で結果を出せなかったので、(進出が決定したら)頑張りたいです。園田の結果次第ですが、コンディションを整えて、ファイナルに向けて気持ちを切り替えて、いい姿を見せたいです」と前向きだった。

 ラストの名古屋で勝負強さを発揮した渡辺騎手。有力馬に騎乗できたこと、他の騎手よりも名古屋競馬場に慣れていたことなど好条件はあったが、ファイナル進出への闘志を燃やして、本当に2連勝しちゃうところが、渡辺騎手のすごさでもある。ほぼ「当確ライン」に達したファイナリストとして、12月27日の大井(ナイター)、28日の中山で、今年こそ表彰台に上がってスポットライトを浴びるような活躍をファンの前で見せてほしい。

秋の鞍を勝ち、岐阜金賞に参戦するサムライドライブ

 笠松競馬では、18日に注目の3歳重賞「岐阜金賞」(SPI、ダート1900メートル)が行われる。残念ながら、東海ダービー馬・ビップレイジングや金沢・MRO金賞勝ちのドリームスイーブルは出走を回避したが、名古屋のサムライドライブが出走する。前走「秋の鞍」を勝った後、調教も順調で息遣いなど馬の状態も良く、参戦が決まった。これまで名古屋ばかりで12戦。重賞8勝のスーパーヒロインが初めての遠征競馬となるが、1800メートルがベストの距離で、輸送距離も短いことから地元同然の笠松では華麗なる逃げ切りが期待できる。

 名古屋からはユーセイスラッガー(筒井勇介騎手)も出走する。金沢と兵庫から2頭。オータムヘイロー(兵庫)には、南関東挑戦中の佐藤友則騎手が騎乗。吉原寛人騎手、赤岡修次騎手も参戦し、地方競馬の超一流ジョッキーが火花を散らす。金沢のアルファーティハ(吉原騎手)は石川ダービー馬。笠松勢はメモリーメガトン(向山牧騎手)や4連勝中のエマブルーム(藤原幹生騎手)ら4頭が迎え撃つ。ビップレイジングとの直接対決は持ち越されたサムライドライブだが、初めての遠征でどんな走りを見せてくれるか。全国のファンが笠松に熱い視線を注ぐ一戦になりそうだ。

 

 

 

 

 

 

続きを読む

ハヤヒデ

 80年代から笠松競馬を愛し、オグリキャップの走りに感動した競馬ファンの一人。岐阜新聞社に勤務。