身にあまるものたちへ

 岐阜市出身の歌人野口あや子さんによる、エッセー「身にあまるものたちへ」の連載。短歌の領域にとどまらず、音楽と融合した朗読ライブ、身体表現を試みた写真歌集の出版など多角的な活動に取り組む野口さんが、独自の感性で身辺をとらえて言葉を紡ぐ。写真家三品鐘さんの写真で、その作品世界を広げる。

彼をたずさえて
彼のことをずっと考えながら、東京の清澄白河を歩いていた。どれだけ思っても、一緒に来ることはない場所だから、心のポケットに彼をたずさえてあちこち散歩した。清澄白河は、いわゆる江戸の下町だ。年季の入...
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